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一時帰国を終えて思う事
2007年02月06日

さっき、ベルリンに帰ってきましたが、時差ボケで全く眠れません。帰国中、あまり真面目に書けなかったんで、ちょっと書いてみます。

今回、助成金の面接を受ける為に帰国しましたので、短い期間でしたが、今まで御世話になってきた方々と話す事が出来たり、新しく出会いがあったりと、とても有意義な時間を過ごせたと思っています。すごく楽しかったし、酒も飲みまくった。もう、居酒屋にしばらく行けないと思うと、つらくて涙が出そうです。

これまで、私は制作する事ばかり考えて、日本でのアートを取り巻く環境や、人との繋がりをほとんど重視していませんでした。いいものを作れば、みんなわかってくれると信じているのは、今もかわらないけれど、やはり、一般の人達にアートへの関心を、もっと持ってもらう事が必要で、それが無いといくらやったって、反応が無くてつまらんのです。多分、そういう活動を地道にやってる人は、沢山いるんだろうけれど、私はほとんど見えていなかった。わけのわかんねえモノを、誰も来ない所でふんぞり返って、すげえだろうと言って見せてたんじゃ、知ってもらえるわけないよな。

助成金をもらって、自分の時間を持てているので、こんな素晴らしい事が、ボクにも言える様になりました。感謝します。

あと、これまでワケもわからずにやってきたスタジオ建設が、この辺に来て、沢山の作家が集まる事で、少しづつではあるけれど盛り上がって来ているのが、今回嬉しかった。電気の力はすげえなあ、やっぱり。環境は人を変えて行きますよ。このまま、いい流れを維持して、小さいながらも何らかの、拠点になっていくことを祈っています。そういう長年の小さな活動や、名も無いヤツらの尊い犠牲が、やがて大きな藩を動かして、倒幕に繋がっていったんだぜ、強引ですが。

飛行機の中で、時代小説をよみふけるのは、初めて外国に行った時から、習慣になっているんだけど、これが何故か楽しい。今回は、藤沢周平の「回天の門」。明治維新の土台を、変節漢、山師、策士と呼ばれながらも築いた、草奔の士 清河八郎 の物語だぜ。いやー熱い、実に熱い。今回の帰国で、いろんなヒーローに出会えたよ。オレの、前世はミジンコだぜ!

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最近ツッコミがなくてサミシいでーす。

投稿者: くぼた | 2007年02月06日 21:21

山本冬彦さんが言っていた。

日本は、クリエイター支援!
    クリエイター支援!
と、張り切るが、
生み出すことに力を入れるのはいいけれど、
その生み出された作品の消費者をあわせて育てていない。

なんて罪なことをしているんだと。。。

彼は、一般の方々に銀座の画廊めぐりを紹介している。

クリエイターを生み出す学校に携わっていた自分としては耳の痛い話。

作品をめでる素敵さを、今後は伝えられたらと思うんだ。


ちょっと真面目なコメント過ぎたかしら???

投稿者: かっぱみなこ | 2007年02月09日 02:23

よう、かっぱ、書き込みありがとね。
さすが、なんとかアドバイザーしてるだけあって、良い事言うなあ。

日本人は、かなり経済の面でも、考え方でも格差が出て来たと言われ始めてるけど、外から見れば、まだまだ全体主義な所があるから、なかなか個人の意見は取り入れられない様に思えるよ。

欧米の格差社会では、裕福な層が、文化面に金を費やして来た歴史が、それらを尊重しようという土壌を、時間をかけて育んで来たのだと思うよ。

もちろん、和を大切にするという、日本人の心は、他には見られない、素晴らしい事だと思うけど。

とにかく、オレは、地道ながら1ミリずつ、環境作りをはじめるとするよ。

投稿者: 久保田 | 2007年02月09日 15:49
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