エストニア歴史博物館にたどりついたが、あんまり人気の無い場所らしく、雨も降っているし人がいない。
博物館の中は、写真、展示物等、相当充実。
受付のオバちゃんも、やっと人が来たね! という雰囲気をかもしだしている。
ここでは、この国が、昔からいろんな勢力の中でもがき苦しみ、そして現在を迎えた状況がわかります。
英語での冊子(厚い)ももらえるし、かなりの主張をその態度からも感じられる博物館だ。
狭い博物館だけれど、被抑圧&協調を繰り返したそれまでの苦難が感じられ、タリンの旧市街地が陽の表現をしているならば、
ココは陰の表現と言ったらいいだろうか。
一通り見終わり、今まで知らなくてゴメンナサイという気分になりました。
庭に出て一服。
庭にあった看板に、(建物の裏に銅像があるよ) という表記がさりげなくあったので、何気なく行ってみた。
そこで見たものは、「おら、見ちゃなんねえモン見ちまっただ、おら何もわるいことしてねえだっ!!ゆるしてくだせえっ!!!」 な代物だった。
数々の撤去されたレーニン、スターリン他、戦争で亡くなったソ連兵達の像。
無残な姿を晒している。
特にスターリンの顔には、黒いタールが塗りつけられたのか、何かがこびりついていた。
スターリンは、エストニア人を沢山殺したらしいし、僻地に追放したんだそうな・・。
戦死したソ連兵の像は、撤去時にエストニアに住んでいるロシア人が暴動を起こしたというのだから、事態は複雑。
エストニアの人口の30パーセントは、ロシア人なのです。
(ちなみに、5年前ルーマニア ブカレストで、同様の撤去された像の写真を撮っていたら、そこにいた兵士に、ものすごく怒られました)
レーニンは、直接手を下した本人では無いので、恨まれていないのか、ちゃんと立っていました。
タリン中心部を見つめるレーニン像は一人立たされ、誰も来ない博物館裏でいったい何を思っているんだろうか。
昨日読んだネットの朝日新聞では、最近バルト三国が主体となり、ヒトラーとソ連について批判した事について、
ロシア議会上院が、「えー、ヒトラーの方が悪いよ。あいつのせいでソ連もこうするしかなかっただけ。一緒にされちゃうと、困るんだよね」という声明を発表したというけど、
挟まれた小国は悲惨な思いをしてきたのは間違いない。
トラバントまでは廻せたけど、これ廻したら間違いなく殺されるな・・・。
(エストニア タリン 滞在記 おわり)
読み終わったヤツ、一人 100円 よこせ
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