さっき、ベルリンに帰ってきましたが、時差ボケで全く眠れません。帰国中、あまり真面目に書けなかったんで、ちょっと書いてみます。
今回、助成金の面接を受ける為に帰国しましたので、短い期間でしたが、今まで御世話になってきた方々と話す事が出来たり、新しく出会いがあったりと、とても有意義な時間を過ごせたと思っています。すごく楽しかったし、酒も飲みまくった。もう、居酒屋にしばらく行けないと思うと、つらくて涙が出そうです。
これまで、私は制作する事ばかり考えて、日本でのアートを取り巻く環境や、人との繋がりをほとんど重視していませんでした。いいものを作れば、みんなわかってくれると信じているのは、今もかわらないけれど、やはり、一般の人達にアートへの関心を、もっと持ってもらう事が必要で、それが無いといくらやったって、反応が無くてつまらんのです。多分、そういう活動を地道にやってる人は、沢山いるんだろうけれど、私はほとんど見えていなかった。わけのわかんねえモノを、誰も来ない所でふんぞり返って、すげえだろうと言って見せてたんじゃ、知ってもらえるわけないよな。
助成金をもらって、自分の時間を持てているので、こんな素晴らしい事が、ボクにも言える様になりました。感謝します。
あと、これまでワケもわからずにやってきたスタジオ建設が、この辺に来て、沢山の作家が集まる事で、少しづつではあるけれど盛り上がって来ているのが、今回嬉しかった。電気の力はすげえなあ、やっぱり。環境は人を変えて行きますよ。このまま、いい流れを維持して、小さいながらも何らかの、拠点になっていくことを祈っています。そういう長年の小さな活動や、名も無いヤツらの尊い犠牲が、やがて大きな藩を動かして、倒幕に繋がっていったんだぜ、強引ですが。
飛行機の中で、時代小説をよみふけるのは、初めて外国に行った時から、習慣になっているんだけど、これが何故か楽しい。今回は、藤沢周平の「回天の門」。明治維新の土台を、変節漢、山師、策士と呼ばれながらも築いた、草奔の士 清河八郎 の物語だぜ。いやー熱い、実に熱い。今回の帰国で、いろんなヒーローに出会えたよ。オレの、前世はミジンコだぜ!
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