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つまらない者です
2008年08月27日

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フォード トランジッド マフラー付近解体中に、まことに珍なオトモダチの登場です!
これは、ちゃんとした車の部品です。ヤラセではありません。

この世に存在する多くのものが、男根に見える様になり久しいですが、なかなかの存在感です。
「崖の上の ポニョ」改め、「さまよえる男 チンチン」と名付け、家に持って帰る事にします。

コーク市は今日も雨だった
2008年08月24日

曇り空、雨が降るのか止むのか、どちらとも言えない状態で続いている。今日は夏なのにマジで寒い。
部屋の暖炉に火を入れて今日は暖まっています。いやでも自然の存在を感じられる場所だ、ここは。
別に雨でも晴れでも、オレはどっちでも楽しめる性格なので、気にはならないが、コーク市民の話題はやはり
このアイリッシュサマーへの不満話が多い。

最近、シャフトの棒も届いたしフォード トランジッドの作業も進んできている。そろそろ定番のカラオケソングの選定時期に入ってきているわけだが、これはいつも、現地に来てからの気分でしっくり来たものを選ぶ様にしている。ベルリンで使った歌をそのまま使うのは能が無いし、オレ自身が盛り上がらない。オレが盛り上がって、観衆も初めて感動するものだと信じる。

最近、前川清の「長崎は今日も雨だった」が頭から離れない。これは神の降臨に違いない。中国語のテレサテン バージョンもあるけどな。それにしてもゆっくりな曲だな。腕の見せ所だ。

    いとしの人は何処にいるのか
       行けどせつない石畳
         おしえて欲しい街の灯よ

旋盤
2008年08月21日

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あいかわらず晴れているかと思いきや、いきなり土砂降りになるアイリッシュサマー続いています。おまけに寒いときている。日本は酷暑と聞いてますが、一日だけそれ経験したい気分です。今日は、フォード トランジッドの心棒を加工する為に、コーク郊外の旋盤屋さんにやってきました。スカルプチャーファクトリーのアシスタント ジョンの運転でそこまで行ったのですが、まわりはほとんど牧場で、そんな工場があるとは思えない場所だったんで驚きました。

10年前にはじめて車を回した時には、心棒と歯車(プーリー)を無理矢理に溶接するという野蛮な事をしていましたが何度かやっているうちに、人並みに旋盤で溝を切って、鉄の棒をはめ込む事を覚えました。それだけの事で、何か自分が知的な生物になったように思えます。オレは単純です。もう大人です。スカルプチャーファクトリーには旋盤が無いので、このオジさんの工場までやってきました。スカルプチャーファクトリー スタッフ ドナーの友達らしいです。

エンジンからなにから、まわりのオジさん達にアドバイスしてもらって何とか進んでいる。何故かオレは職人をしているオジさん達と気が合う。オレの英語はろくでもない代物だが、別に深い会話は必要がない。だからぜんぜん上達しない。これではダメだと思うが、やる気はない。オレたちに込み入った会話なんか必要ではない。今日は頑張ってなんか疲れたんで、パブに行きビーミッシュ(コークの黒ビール)を二杯飲んで家に帰った。それでいい。

強者
2008年08月17日

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今日は、作品に使うエンジンのバッテリーを充電する充電器を、アイリーンの姉ちゃんの旦那ジョニーがタダでくれると言うので、彼の家に行って来ました。彼は、頭にオレと同じ場所に傷があり、それも酔っぱらって自転車で壁にぶつかって怪我をしたのもオレと同じという、似た様な事をしているのでお互い親近感がある。彼の作業小屋に連れて行ってもらったが、なんか今もサッカーで足を怪我しているらしいのだが、かなり元気だ。

どうもこのスーパーマシンを見せたかったようだ。見ての通り、チャリにエンジンがついている。仕事場まで10キロあり、坂道で辛いから作ったと言っていたが、身近にこんな本田宗一郎みたいな事をする人がいるのには驚いた。怪我をしているのに、はりきってエンジンをかけてくれた。どうも本当に職場まで行っているようだ。でも、オリジナルではなく、ネットで中国製のキットを200$(安い!)くらいで買ったらしい。そんなもんがあるのが驚き。

日本ではあんまり見かけないけど、ヨーロッパでは自分で車のエンジンを直すのが普通の事だ。ジョニーは車検も自分で通すのだそうだ。古いTriumphもレストア中だった。オレも最近かじってきているから、これからは直せる男になりたい。(男 それはいったい何なのか、最近悩み中)

NSF(National Sculpture factory)改良工事
2008年08月13日

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今日は、コークにあるNSF(国立彫刻工場 直訳!)の新規改良工事についてのミーティングがあったんで、出席させてもらいました。この街にはアーティストが沢山いる。このミーティングにも多くの作家や関係者が集まりました。というのも、新規改良の設計プランに反対意見の人がかなり多いから。

新規プランでは、伝統的な手法(鉄、木、ブロンズ、セラミック、プラスチック等)のスペースを削り、メディアアート用のスペースをかなり設ける事になっている。ギャラリースペースやライブラリーもある。本来の彫刻用の空間は狭くなってしまうわけだ。だからここを長く使用している作家は反対している。彼らは反対意見を書いた抗議書を作り、同意する人のサインも集めている。オレも、サインを求められ、義理と人情とやせ我慢でサインしてしまった(いけねっ)。

でも実際、現在の状況では、ヘンリームーア調の椅子を作ってたり、指輪、工芸品みたいな壺を作ってたりする作家が大半なので、ナショナルクラフトセンターに名前変えたほうが・・、とも思っていた。家賃が安いから居座っちゃってる人達がいる。だから工房の雰囲気も古くさく、若い作家があんまりいない。最近の時代の流れなのか、ヤングピープルは重労働を好まないから、彫刻するヤツなんてあんまりいない。みんなメディアアートに走っている。でもそれは彼らがリアリティーを感じているんだからしょうがないだろう。運営側は、わけのわかんねえ老いぼれ居座りジジイババアを追い出し、そういうヤング共をファクトリーに集めようという作戦なんだろう。オレにはわかる。

まあ、それもいいだろう。若いのを育てた方がいいに決まってるしな。でも御老体には、新しく大自然の中で場所を新しく探せというのも、厳しいだろうから、何か妥協案が必要だとも思う。それにしてもこの国のアーティストはいいよなあ。こんなに至れり尽くせりで国が世話してくれるんだもんなあ。いいか悪いかオレはよく知らねえけどね。オレは通りがかりの遊牧民だよ。

まあ彼らも、自分で雨水をタンクに集めて使う段階から始めりゃあわかると思うよ。しかしアイルランドより金持ちで、工業も何もかも発達してる国のアーティスト(ボク達 竹槍久保田組スタジオ)が、雨水使ってるのもどうかと思うぜ〜、どうなんでー。

作業状況
2008年08月09日

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久保田組、本日の作業内容はラジエーター破損部の修理、アクセルワイヤーをベルリンから持って来たハンドルに繋げる作業、キーシリンダーのハンドルへの取り付け、人員1名、手元足下に注意、以上です。ヘルメットは良いか〜、アゴヒモは良いか〜、足下は良いか〜、今日も安全作業で頑張ろー、オー。(わかる人とわからない人がいると思いますけど)。ベアリングとシャフトも注文したから、ここから先は結構先が見えて楽しい。給食で残しておいた肉を食う時間です(わかる人とわからない人がいると思います)。

とりあえず、毎日特にアーティストとして物事を考えることはなく、ただひたすら作業を続ける男です。アイリッシュのアーティスト達は、昼頃来て結構のんびりとやっていますが、オレは毎日、ほぼ同じ時間にスタジオに来て、ほぼ同じ時間に飯を食い始め、ほぼ同じ時間にシャワーを浴びて帰る事を繰り返している。長い事日本で現場作業をしていたリズムは変えようと思ってももう無理です。こっちの方が作業がはかどるし、日中しか工具関係の店はやっていない。スカルプチャーファクトリーの隣でマンション建設作業をしているヤツらと、今はほとんど気持ちは変わらない。これがブルーカラーってヤツなんだよ。オレは、いまでは貴重になり、国の天然記念物の指定を受けるかもしれないブルーカラーアーティストだ。わかった風な事を述べて、ゴミのようなモノを作っている人達にまだまだ負けられないです。

体力勝負だから、朝からカレーやインスタントラーメンを食うのは当たり前だ。ミックからサベージ(野蛮人)の称号をもらっているが、悪いけど朝メシにパンとか、わけのわからん鳥のえさのような物に、牛の乳をかけて食う気にはなれない34歳(けっこうまだ若いね)日本男児です。このまま生きる。

ヤマト
2008年08月06日

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今日もこの怪物のようなツラをしたバケモノと闘って来ました。気合いを入れる為に、スタジオで永ちゃんの「黒く塗りつぶせ」と「鎖を引きちぎれ」を爆音で聞き、いくらなんでも鎖は引きちぎれねえべ、とか思いながらモチベーションを高めます。最近、音楽を聞かないと気持ちが盛り上がってこないのは、スナックのカラオケで歌っていない禁断症状だと思われます。しばらく日本に帰れていないので仕方が無いですが、きっと帰国した時は、浦島太郎の様になって、忘れられてしまった古い歌ばかりを歌い、失笑を買ってしまうかもしれないです。

このバケモノは、一ヶ月前にクレーンでつり上げている時に、地面に落としてしまい(6月13日 事故 という日記参照)、冷却水のタンクやプラスチックで出来た部品が壊れました。今日はその辺の修理と本体への取り付けを中心に作業をしたのですが、交換が必要な所がかなりあるんで、スクラップヤードに行き、中古部品を買いました。あの忌まわしい事故のせいで、いらん手間がかなりかかってしまっている。ラジエーターにも穴が空いて、冷却水が漏れている事も判明(ショック、多分中古部品でも高い・・)。交換するしか無いです。ああ、でもこうしてエンジンに詳しくなっていく自分がいるのは、イイ事に違いないとポジティブに考える。

このイノシシのような顔をしたエンジンが無事に動く日がやってくるんだろうか・・。宇宙戦艦ヤマトがボロボロの沈没船かと思いきや、泥の中からいきなりピカピカの船体を現し(知ってる?)発進して行くように。フォード トランジッド始動日まで残された日にち、あと53日。

そういえばオレ、東京に軽トラ、ベルリンにトラバント、コークでトランジッド。3台も車所有しちゃってるな、スゲエな。嬉しいような悲しい様な。

日曜日
2008年08月04日

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今日は日曜日で作業が無い。スカルプチャーファクトリーは開けてくれるけどなんだか行く気が起こらない。ここはカトリックの国で、日曜日はみんな働かない。平日でも残業をしている人は見た事がない。郊外のショッピングモールみたいなところはやってるけど、それ以外はパブとカトリックじゃない国から来た人の店以外は、全部閉まっている。それでも社会は成り立っている。明日もバンクホリデー(祭日)で休みだ。街に人はまばらだ。

時々、東京で働いていた頃を思い出すが、今とは比べ物にならない程ハードな日々だった。競争が半端じゃ無く厳しい環境だったからだ。ちょっとしたミスですぐ赤字になる様な状況で、日曜日がどうのこうのとチンタラした事は言ってはいられない。夜でも昼でも関係なく働いていた。金の事さえ考えて語っていれば、それで一応社会の一員になれていた気がした。夜はただ酒を飲んだし、それでなんとなく良かった。

ここは違う。仕事や金の話しは、日曜日はしない。時間をゆっくりと使い、豊かに感じる様みんな心がけてる。仕事とかそんな話しをしていると、野暮なヤツだと思われる。やっぱりオレは日本人で、違う国から来た人間なんだと思う。どうにかそれに馴染もうとしてきた。今日は昼から一杯やってのんびりしている。どっちが良いのかは知らんが、とにかくやがて日本に帰る日がやってくる。それを思うと怖くて仕方が無くなる自分がいる。でもそんなの OK ロッケンロ〜 矢沢だよ。

隣の家
2008年08月02日

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アイルランドに帰って来ましたが、近所が何か変わっていました。もともとミックん家周辺は、何十年か前に丘の中腹を削り取って平坦な土地を作って家を建てたものだが、地中は堅い岩盤なので、大変な仕事だったはずだ。隣の家の人が家を拡大するのか、朝7時半から削岩機とユンボで地面を掘っています。うるせーです。ちなみにこの写真は、オレの部屋から見た景色。平坦な地面を作り、基礎を作って建物を建てようとしているっていうわけだ。

いろんな事に人生を賭けてる人がいるもんだが、この家を造ってるケビン夫妻は、この家の建設に労力を費やしてる。写真には写ってないけど、手前にある家(ボロい)も自分達でリノベーション中。中に入った事があるが、かなり老朽化した建物なんで、道のりは長そうだった。

いろんな場所に行き、アパートを転々とする生活が長いせいか、自分の家を作るという発想は今まで持った事が無かった(そんな金も無えしな)。でも自分が死ぬまでそこで生きるっていう覚悟で、オレと歳はそう変わらない彼らがここに家を作っているのを見ると、何か思う所がある。きっと何世代か先の事まで考えたりするんだろうな。

オレも、そういう事を考える年齢なのかなあ。でもこの船乗りの様な生活では、そんな事が出来るかどうかわからないな。シェリーいつになればオレはたーどりつけるだろ〜。