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Fordトランジッド回転成功 3
2008年09月30日

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ギアの切り替えとクラッチ操作が、盛り上がり方の勝敗をわけるのです。クラッチ板から煙が出ています。
構造的には危険が無いと確信していますが、どうしても主催者側がどこでも柵を作りたがるのが残念です。
(Photo Pauline Izumi Colin)

Fordトランジッド回転成功 2

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急遽ふんどし決定。これが日本の男です。
(Photo Pauline Izumi Colin)

Fordトランジッド回転成功

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秋晴れの空のもと、予定時間きっかりに回しはじめました。やはり、この車はごっつくて重い。土台から何から、今まで回して来たサイズの1、5倍の大きさだ。あまりの大きさに、やはり初めは人力で回さなければならなかった。体ごとぶつかってフォードを3回押し、やっと動き始め、その反動を利用してエンジンから軸へと動力を伝えた。ベルトが激しくスリップして、なかなか回転までいかない。こんな事は今まで無かったが、これが大型車の醍醐味というもんだろう。

無事回転したが、エンジンがかなり苦しそうだ。歯車のサイズと回転スピードがマッチしていないせいだ。このエンジンなら裕に車体を回せるが、力のバランスというものが全てを決める。この辺は、今までの経験と魂でカバーする。二曲が終わり、観客はかなりウケている。どうやら成功した模様。初日はやはり自分が酔える所までは達しないものだ。はたしてフォード労働者達の魂を呼び起こす事ができただろうか。とりあえず成功だ。次のパフォーマンスは水曜日だが、津軽海峡冬景色(坂本冬美)でもかけてみるかな。

(Photo Pauline Izumi Colin)

組立中
2008年09月24日

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今日はパフォーマンスをするドックランドに作品を運搬、組立をしました。この間の日曜日に、この場所があまりに汚くて散らかってたんで、徹底的に掃除をしたのですが、木製パレットとかパイプとか、重いものを思いっきりぶん投げていたせいで、かなり厳しい腰痛になっている。おじいさんの様な歩き方をしているので、周りの人から心配されているが、休んでいる暇はない。とにかくやらなければならないのです。アイルランドの人は、鎮痛剤を持って来てくれたり、いろいろ運んでくれたりと、結構やさしいです。

ここ何日か、今までがウソの様に晴れているんで気持ちが良いが、パフォーマンスの日まで続いてくれると嬉しい。今のところ、奇跡的にパフォーマンスをする時に雨が降った事は一度も無いので、記録を伸ばしたいですが、ココはアイルランドなんでかなり厳しい。そんな事より生きて帰って来る事を考える事が先決。ボルトを千切れそうな程締めている。

それにしても、オペレーター付きクレーンで組み立てたのはこれが初めてだ。今までは自分でやっていたからな。スポンサーってのは素晴らしいですねえ。フォードにもお金出してもらえる様に頼めば良かったよ、ホントに。そういう事が出来る人間になりたいものです。この数日は、じぇんとるまんは止めて、鬼にならなければいけません。

Irish Examiner
2008年09月21日

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アイルランドでも堅い(かたい)新聞(しんぶん)、アイリッシュイグザミナーにフォードトランジッドの記事(きじ)が載った(のった)ぞー。コーク市(し)で一番(いちばん)有名な(ゆうめいな)日本人(にほんじん)への道(みち)近し(ちかし)。

明日も(あしたも)取材(しゅざい)が来る(くる)らしいよ。テレビもこないかなあ。

今日は(きょうは)訳(わけ)あってフリガナ付き(つき)です。

Culture night in Cork
2008年09月20日

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芸術の秋とか言いますが、今週はここコーク市ではいろんな文化的イベントがあります。今夜は、美術館、ギャラリー等が開放されてタダで入れたり、いろんな所でオープンアトリエをしている日です。スカルプチャーファクトリーは、港湾地区で立体作品のイベントをやっていて今日がオープニングでした。タダ酒も飲めるし、パーティーには勿論参加。

普段スタジオで、このイベントに参加しているアメリカ人作家イニゴに、タバコを吸いながら、どっから来たの?とか、ふーんとか、ただのオッサンだと思い軽口をたたいていましたが、今日になって彼は、今年のドクメンタで暗室の中に鉄で作った巨大トレーラーを展示していたアーティストだと知り、水戸黄門状態です。写真の作品が彼の作品で、Wheater stationとかいう題名で、中に風圧測定機とか、気圧計が入ってます。シカゴではエラい先生なそうな。知らんかったー。ドクメンタとか出ちゃうとやっぱ世界中から引っ張りだこみたいです。金も出るし、作品も依頼して誰かが作る。今度日本にも来るそうな。いいですなあ、そんなふうになりたいものです。

とりあえずしこたま飲んで、来週から始まる車回しの事を忘れて楽しめました。

日本男児からジェントルマン
2008年09月14日

アイルランド入りしてからもうすぐで半年になる。環境が変わればやはり人の考え方も変わるもんですが、日本の習慣と西洋の習慣が、完全に違うなあと最近になってやっとわかるようになってきた。気がつくのが本当に遅いが「気がつかない、気が利かない」という性格の人間には時間が必要なのです。

やっぱりオレは男尊女卑の国から来たわけで、こっちは全く反対なわけだ。オレに着いて来いというより、女性の為にドアを開けて待ってあげてなければ格好いい男とは言えないのだ。料理の一つや二つ普通に作ってあげられるようでなければならない。限りなく女性に対してジェントリーである事が求められる。只今修行中。

初めはやはり抵抗があったが、今はそれもなかなかいいじゃないかと思う様になった。すごい進歩だよ、オレにとっては。日本男児である事は止めるわけにはいかないが、ジェントルマンな日本男児を目指してみようと思う。その方がいろいろと学べる事が多いし、そっちのがモテるしな。日本男児は西洋では女性にぜんぜん人気ねえ。チンコが小さいくせに威張っているとか言われている。いいところを残し、イメージアップを図るぜ。

Ford ファクトリー跡地
2008年09月09日

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今日、今月後半から車を回す場所を下見しに行きました。1987年までFordが車を作ってた場所だ。横には川が流れていて船が接岸できるので、ここら辺の人は、Docklandと呼んでいる。今では、工業関係の店舗や倉庫、一部アーティストのアトリエとして使われている。この広場には、出来たばかりのピカピカの自動車が並んでいたというが、今ではそんな事はウソにしか思えない。

それにしても殺風景な場所だ。これから高校生の決闘が始まったり、暴走族の集会、コンクリート詰め殺人ドラム缶が落ちていても不思議でない様な・・・。よくオーガナイザーの人の話しを聞かないで、勝手にここだと思い込んで来たのだが、本当にここで良いのだろうか。さあ、よくしらねえな。オレは人の話しをうんうんと聞いたふりをして、ぜんぜん聞かないタイプの人間です。最近では、コークの人達もそれに気がついて来た様です。

パフォーマンスの時、このコンクリートの隙間から生えている雑草を抜くべきか否か、今そんなくだらない事で悩んでいるのは、とても幸せな事かもしれません。そんな事より、ここに観衆は来るのでしょうか?何処ででも誰とでも闘うと猪木は言っているし、オレも作品に酔えればそれでいい。でも、少しは人が来た方がいいな。ここは巌流島ではないし。とにかく、あと2週間でArt Trail2008(オレが参加する展示)が始まる。

草抜いた方がいいかなあ、ちょっとはマシになるかもしれんしな・・、う〜ん(ホントはどっちでもいい)。この侘び寂び?は、ヨーロッパ人にはわからんだろうなあ。

重い、重すぎる
2008年09月06日

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この野郎にアルゼンチンバックブリーカーをかける日が、刻々と近づいて来ている。センターにシャフト(軸)を通し、土台に載せてみた。でかい、でかすぎる。周りの人達がその様子を見守っているが、やっている本人の方がホントはかなり怖い。見た目、何かがおかしいとオレは感じた。中に入って確かめてみたところ、あまりの重さにシャフトが曲がっている。これはただ事ではない。

ベルリンのトラバントと同じ径のシャフトを使っているのだが、今回の車はその2倍の重さはある。ここアイルランドは工業国では無い。ベルリンの時の様に、ちゃんとした硬質のマテリアルであるとは限らない。自分の背骨が折れてしまったら元も子もない。慣れて来た頃、オレは必ず事故る。これは定説です。植村直己と神様は、それを知ってます。

対策を考え、軸を支える為の構造を作りなおす必要に迫られている。くっそー。
昨日、エンジンの方はオジさん達の助けにより無事作動してホッとしたのも束の間、次なる難題がボクにのしかかってきます。誰かたちゅけて〜。

ケリー 4
2008年09月05日

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このレジデンスに4日間滞在させてもらいましたが、当然何か作品を作らなければならない。そしてタダで泊まらせてもらう代わりにその作品を寄贈する事になっている。オレは彫刻家だ、一応。でも何も道具を持って来ていない。おまけに彫る為の木など落ちてない。その辺に落ちているモノでヘッポコなインスタレーション風な作品だけは作りたくない。ドローイングという手もあるが、ありきたりすぎる。

考えたが、なかなか思い浮かばない。しかたがないので散歩をするが、落ちているものは石ばかり・・。という事で石を使って作品を作る事にした。材料 石、道具 石(主演 勝新、監督 勝新、歌 勝新のように)。道具となる石は、少し固めのものを用意。そしてひたすら削り続ける事5時間、作品が出来上がった。

またかよと言わないで。それは男根、日本の心。道祖神風にしてみました。
これを作る前、飢饉の時に餓死した子供達の墓や、修道院に行ったが、これと同じ様に石を削って作った石碑を多く見ました。これで、世界男根マップにまた一つ仲間が増えました。

(Photo Pauline Izumi Colin)

ケリー 3
2008年09月04日

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スケリッグスマイケルに船がやっと到着、気持ち悪くなりながら石段を上ります。急坂なのでほとんど登山の様です。足を滑らせたらマジで危険な所で、日本の観光地の様にちゃんと柵があるわけではない。現に崖から落ちて死んだ人もいるらしい。2、30分登り、やっとてっぺんに到着。

巨大かまくらの様な修道院がいくつもあります。このドーム型石積み建築は、どうやって作るのかいつも気になる。内側に木で型枠を作るのかなあ。でもここには木はぜんぜん生えてねえけど。日本人のボクは、怖くてこのかまくらの中で生活はできねえな。地震が(ここは無いんだろうが)こわい。こんな風が吹きっさらしの、土もろくに無い様な所でよく生活していたものだ。ガイドの人の話しでは、修行僧達は羊を飼ったり鳥の卵を食っていたらしい。小さな菜園もあったとか。

信仰の力とは凄いものですなあ。

ケリー 2
2008年09月02日

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西暦600年頃カトリックの修道士達が、孤島に教会を作り住んでいました。スケリッグマイケルという名前の島で世界遺産になっているそうです。ボートを予約し近くのバリンスケリッグス港まで歩きました。この日は雨は降っていなかったけれど、外海は荒れていて、気持ちが悪くなりました。釣り船でかつて悪夢を経験した(撒き餌しまくりの6時間)ので、その記憶も手伝って気分が悪かったです。

スケリッグマイケルの隣の島(写真)は、カモメの巣と化していて、糞の匂いでたまらなかったです。それにしても、こんな絶海の孤島によくも教会を築き、棲み着いたものだ。日本の修験者の様に彼らは人里離れた場所で修行し、ここでギリシャ語の聖書の研究に明け暮れたらしい。そうしてキリスト教原理主義者となり他のヨーロッパ各国へ伝導に出かけた。でも、あまりの純粋さゆえ、新しいキリスト教の流れに取り残された彼らは、周りから疎まれ最終的に、クロムウェルによって皆殺しにされてしまう。

ケリー 1
2008年09月01日

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ここ何日か、ホームステイ先のミックが、アイルランドの田舎の村にあるアーテイストインレジデンスに行っているので、そこを御邪魔させてもらいました。アイルランド西南、ケリーという地方で、自然が力強く感じられる場所です。バリンスケリッグスという店が全然ない町の外れにそのレジデンスが存在します。

この辺の産業は、放牧と観光で成り立っているような所で、畑はほとんどないです。英語ではなくゲール語を話している人もいます。かつてヨーロッパ大陸をローマ人によって追いやられたケルト人が、最後にここにやってきました。だからスタンディングストーンや遺跡も多いです。西暦600年頃には、カトリックの教会が孤島等に作られ重要な意味を持ちました。そこにも行って来たんで、今度写真載せます。ピューリタン革命のクロムウェルが、ここの修道士達を虐殺したので、ここの人達は、彼を今でも憎んでいる。

1800年代に起こった飢饉では、沢山の人が死んだようだ。ここは、マジで食べるものが育たないしな。
羊と牛だけはいっぱいいる。写真の中に見える石垣で出来た柵は、今では壊れて意味を持っていないけれど、遺跡として見てみると、この大自然の中で妙な存在感がある。この日は晴れているが、他の日は曇りか雨、霧につつまれている。