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Bonjour
2008年10月31日

I'm in Paris.Tonight I will see Bunpei and Jim.

目覚め
2008年10月25日

こんにちは。住所不定、無職、自称芸術家、来週ドイツ滞在ビザが切れる久保田です。
たった一ヶ月滞在を延期しただけで、帰国のチケットを文化庁からもらえなくなりました。
PCの調子が悪く、写真の無い日記が続くでしょう。

でも、ぜんぜん元気にしていて最近は今まで興味が全くなかった料理に挑戦しています。かなり楽しい。
こんなに面白い事が、すぐ近くにあったとは。ベルリンでは食材が安いし、ユーロ安なのでついつい沢山かってしまう。このまま1ユーロ 100円くらいになってくれると、本当にありがたい。

この間、友達の家で久しぶりに美術手帳というモノを見たが、若手日本人作家って(オレもそうだけど)やっぱり軽くて薄くて、白っぽいものを作っているんだね。コンドーム軍団と呼ぶ事にします。コンドームをつけたチンポでは、摩擦が少なくて物足りないでしょう。来月から少し帰りますが、久しぶりに帰るとショックでかいんだろうな。テレビとか見てもわからないだろうし。パリ経由で帰るよ。オレもゴムでもハメようかな。

秋のベルリン
2008年10月19日

ベルリンに帰って来てから数日が経ちますが、ここは結構快適です。ユーロが下がったし、アイルランド帰りなので、全てが激安に思えます。スーパーで買うものが半額か3割引です。ビールもタバコもすげえ安い。今更ながらびっくりしている。アイルランドも良かったけれど、やはりモノの値段が違いすぎる。しばらくはこのギャップを楽しめますが、買い過ぎに注意です。昨晩は、来月とうとう本帰国してしまう松崎氏とバーでビールを飲みまくり、今後の展開について話し合いました。じわじわと何かを進めます。やります。

おれは秋という季節が四季の中で一番好きだ。なにか空が一番大きく感じられる季節で。広々としたベルリンをチャリンコで激走するのは気持ちが良いです。道が広いです。坂が無いです。この陽気もしばらくしたら冬へと近づいていってしまうのだろうが、それもまた良し。しばらくこのゆっくりした時間を楽しもう。孤高にそそり立つベルリンテレビ塔が白みがかった空と同じ色になっています。

オヤジからのメールでは、実家の長野は既に相当寒いそうな。帰国してスタジオ建設を手がける頃は、東京ももう真冬。久しぶりの屋外での肉体労働は、かなりシビレると思うが、ヨーロッパ生活で弛緩した精神を鍛え上げるには丁度いい。気合いを入れなおそうと思う。昼間労働、夜居酒屋。それだよ、それを待っていたんだよ。居酒屋無しでは語れません人生は。悪いお友達に捕まらない様に注意です。国分寺Roofは居酒屋ではないですが、夜な夜なある男が訪れる日が近いです。

募集
2008年10月15日

来年の6月頃、アイルランドにまた行きます。コークのミック&アイリーンのアトリエ建設をちょっと手伝う為です。誰か若い土木系(そうじゃなくてもいいよ)アーティストの方、僕と一緒に行きませんか?
タダでしばらく泊めてくれるし、美味いメシが食えるよ。旅費は自腹。

こういう機会を利用して、何かきっかけをつかむべきだと思うんですが、やる気ある人いないですか?
アーティストである事が条件だよ。日本人通の人達だし、ゼロから始めるよりはぜんぜんいいぜ。待ってても何も起きないです。いろいろ学べると思うんだがなあ。

とにかく興味ある方、メール下さい。

さらばコーク
2008年10月14日

今日ここを出る。とうとうそんな日が来てしまった。なんだかんだ言っても、その日は必ずやってくる。
昨日は、ミック&アイリーン家にチャイニーズショップで見つけた電気火鍋をプレゼントし、それを囲んで夕飯を食べた。気に入ってくれたようで、かなり喜んでいた。今度来る時までに、おそらくアイリッシュ火鍋レシピが出来上がっているだろう。先人、遠藤さん以来この家には日本人が残して行った調理器が増えていっている。

食事後、暖炉を囲んで話をした。うまいことはぜんぜん言えなかったが、この家で生活したおかげで、オレは変わったという事を伝えた。確かに変わった。モノの質について考える様になった。それは彼らと食生活を共にしたにが大きな要因で、毎週サタデーマーケットでは、新鮮な食材を手に入れた。魚屋では、魚をさばいている人と話をしながら選ぶ。八百屋やパン屋では、作った本人の顔を見て買うわけだから、間違いが無い。美味さがちがう。昨日古本屋に行って料理の本を買ったので、ベルリンに帰ったら作ってみようと思う。

今朝はいつもの朝と一緒で、霧雨が降っている。6ヶ月があっという間に過ぎ去ったが、知らないうちに自分が変わって行くのに驚く。「環境が人を変える」十年前に思った言葉だが、やはりそれに間違いは無かったようだ。これからも変わって行くのだろう。人生に立ち向かいながらも、日々の生活を楽しむ事がそれに潤いを与える。これを知る事が出来たのは、大きな糧だ。ゴージャス という言葉は決して豪華絢爛という意味では無かった。質素でも豊かなくらしをしていれば、それは ゴージャス なんだ。生活が苦しくなってもその事を忘れない様にしたいが、この性格では必ず忘れる。忘れたら、またここへ戻って来ようと思う。

Fordのマーク注目
2008年10月13日

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昨日の写真、一部の方々から デブ、暑苦しい、褌にこの帽子は意味がわからん、変態っぽいと御指摘を受けましたので、誤解を解いていただく為に拡大写真です。ディーゼルタンクについたマークと、帽子に注目。あたかもFordの
サポートを受けているかの様な雰囲気を醸し出したかったのですが、みごとに失敗の模様。帽子はマーケットで
偶然見つけ、嬉しくてかぶってしまいました。5ユーロです。

ヘンリーフォードの父ちゃん、コーク郊外で生まれたんだよ。今アメリカのビッグ3ヤバいらしいですね。
僕はとにかくユーロが下がっただけで嬉しいです。

Fordトランジッド最終日 ダイジェスト 7
2008年10月11日

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Ford、いままでその会社と車について考えた事はほとんど無かった。コークにナショナルスカルプチャーファクトリーがあって、知り合いのミックとアイリーンがいた。それだけの情報とツテでここへやって来た。偶然にも港でアートフェスティバルがあると聞き、会場がFordの工場だったことを知る。不思議なつながりが見えて来る。何か見えない力が作用して、後ろから押されているような気持ちになる。これからも、ここコークには時折やってくるだろう。ケルト人とそれ以前の何人がわからない人と御柱のアミニズムの関係も、これから調べてみたいしな。これからはやっぱキリストとか仏陀、イスラムより、ルールというものがほとんど存在しない自然崇拝が流行るでしょう。実はこれが無ければ、世界は廻って行きません。

この二年間、奨学金を立て続けに貰う事が出来たんで、車を二年連続で廻す偉業を達成出来たが、これからは資金面での苦労が始まるだろう。なんだかんだ言っても、金が無ければ何も始まらないからな。おー、どうしたらいいですかねえ。来週から、ベルリン、パリをまわり日本に一度帰ります。日本でしばらく金策です。ここ何ヶ月かは久保田金策に名前を変えて頑張ります。

今回は、すごくFordの為に尽くした。何か見返りがあってしかるべきと思う。どうですか?Fordさん。今度サポートしてくれませんか?他の自動車会社の方々にも、今度聞いてみる事にします。人間は金が無くなったとき、本当の姿をさらけ出すものですが、あんまりさらけ出さない様これから努力です。とにかく、アイルランドを後にしたらしばらく充電期間をおいて、金策になります。

Fordトランジッド最終日 ダイジェスト 6

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北の漁場、望郷じょんがらの二曲が無事終わりました。じょんがらの方の三味線にあわせた、ゆっくりとした車回転のノイズは、どこに行っても人々の心を打つ様です。実際にフォードファクトリーが操業していた当時を知る年配の方が、かなり感動してくれたように見えたので、うれしいです。

「コーク市は今日も雨だった」という作品名をつけたのに、神様は何を考えているのか知りませんが、パフォーマンスの時だけ意味も無く超快晴にしてくれました。こんな天気は一年を通してもめったにないです。嵐の中で強行回転を少し期待していました。
(Photo Pauline Izumi Colin)

Fordトランジッド最終日 ダイジェスト 5
2008年10月10日

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エンジンがもうもうと白煙を吐き始めた。クラッチ板が焼けている。とうとうクラッチ板がすり減って、動力が伝わりづらくなってしまった。でもまだ飛行は可能。車が重いおかげで振り子の原理なのか、ぜんぜん止まらない。やっぱり演歌にはスモーク。わかっているなあ。
(photo Pauline Izumi Colin)

Fordトランジッド最終日 ダイジェスト 4

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Fordトランジッドがバリバリ廻りはじめたが、エンジンシャフトの回転数が早すぎるので、ベルトが激しくスリップする。今日は最終日なので、いつもよりベルトにテンションをかけておいた。が、すべる。クラッチを何度も切る。半クラッチ状態がずっと続いている。クラッチ板が熱を持ち始めた。やばい。

でもこれが最後のパフォーマンスだ。ぶっ壊れても構わないと思いアクセルをまわした。バンの回転は順調だ。これが男のロマンです。
(photo Pauline Izumi Colin)

Fordトランジッド最終日 ダイジェスト 3
2008年10月08日

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最終日のパフォーマンス応援のため(だとオレは信じる)、日本からマグロ漁船が二隻やってきました。
ここは地球の裏側、地の果てアイルランド。わからないと思うけど、これは奇跡的光景なのです。
漁師さん達がパフォーマンスを見に来てくれましたが、意味を説明するのが難しかった。彼らの様な人達がただ単純に感動してくれるなら、
本当は意味なんかどうだっていいんだ。

これは次の朝撮った写真ですが、この後彼らは給油と食料調達を終え、大海原へと出て行きました。

Fordトランジッド最終日 ダイジェスト 2

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コーク港に向かい、パフォーマンスの安全と力を貰える事を祈願して、「港の神様お願いだー」の掛声です。
当然、アイルランドの人達に意味がわかるわけは無いですが、何かを感じた様です。

Fordトランジッド最終日 ダイジェスト

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清酒の代わりに、コークの地ビール ビーミッシュをかけてやりました。
パブからパクって来たグラスに注いで、ゴクゴクと飲ませてあげます。
(Photo Pauline Izumi Colin)

神懸った日
2008年10月06日

昨日は最後のパフォーマンスの日だった。オレは晴れ男だが、いつも雨ばかり降ってるアイルランドだし、今回は嵐の中のパフォーマンスでも良いかなと半分思っていた。朝起きてみると、超快晴。こんな事はここコークに来てからほとんどなかった。ついている。今日は、アイルランド以降の自分の人生に勢いをつける為に、曲は北島三朗「北の漁場」に決めた。

パフォーマンス準備の為に早めに現場に行き、ボルトの弛みを締めなおす最終確認をした。振動でボルトは緩んでくるから、この確認を怠ると思わぬ事故につながってしまう。だんだん人が集まり始めた。結構前回のパフォーマンスが口コミで広がっているんだろう。ミックの親戚のジョニーがやってきたが、誰からの御土産か知らんが、頭に日の丸と「日本」と書かれた鉢巻きをしている。彼は前回のパフォーマンスにも来てくれていて、その後「カミカゼ」を連発していたので、何か影響を受けてしまったのかもしれない。とにかく頼もしいサポーターだ。

彼が港の方を見ながら「日本の船が来ているぜ」というので見てみると、なんと第十ナントカ丸という漁船が二隻も停泊しているではないか!日本人がぜんぜんいないし日本の船など見た事も無かったこのコークに、そんなのが偶然来ているのが驚きだ。船の周りをねじり鉢巻きをした本物の漁師さんが歩いている。オレは彼らに自分のパフォーマンスを見てもらいたかったので、柵越しに声を懸けてみた。「こんにちわ」「コンニチワ」とジョニーと叫んだが、多分彼らとしても、こんなところに日本人がいるとは思っていないのか、反応してくれない。彼らは多分シャイなんだろうということになり、柵を越えて船に近づいてみる事にした。

鉢巻きのオジさんは、佐藤さんという宮城の人で、マグロ漁に来ていると話していた。他に土佐の人もいた。こんな地球の裏側まで、彼らマグロ漁師はやってきている。まさにオイラの船は三百トンだ(マグロ漁の歌)。すげー。オレのフォードと北島三郎が彼らを呼び寄せたとしか考えられない程のジャストタイミング。こんな事があっていいのか。彼らにオレのパフォーマンスを簡単に説明し、見に来てもらった。と言っても船から作品まではほんの数十メートルだが。

今日の最終日は、さすがに沢山人が来ている。特別にフォードにビール掛け、久保田による「港の神様お願いだ」という特別木遣り歌を披露した。盛り上がっている。日本人漁師さん達もウケている。車が回り始めたが、今までの無理がたたって来たのか、クラッチ板から煙がメチャメチャ出て来て、演出効果抜群になっている。どうかエンジンよ止まらないでくれと祈りながら、二曲が終わった。「北の漁場」は、彼らマグロ漁師に捧げたつもりだ。観衆も満足げだ。とにかく神懸った日だった。忘れられない日だ。涙が止まらなかった。

Fordトランジッド回転成功 4
2008年10月04日

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(Photo Pauline Izumi Colin)

旧Ford ファクトリー
2008年10月03日

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水曜日のパフォーマンスも無事終了。後は日曜日の最終パフォーマンスを残すばかりとなった。
一局目を 「津軽海峡冬景色」坂本冬美に変えてみたが、やはり女性の声が入ると、演歌の歌詞がわからない人達にも馴染みやすくなるようだ。演歌の歌詞、それはしみじみ聞いてみると悲しいものばかりだが、一人異国の地にやってきて車を廻す為に作業する地道な時間は、それ無しでは語れない。田や畑を耕す様にゆっくりとしか進まない作業、地道な作業、それは実に演歌的なものである。居酒屋のカウンターで一人飲む酒。オレは結構そういう時間が好きだったし、今でも日本に帰ったらそれをしたい。そんな雰囲気の無い場所で、演歌を聞く事だけがそれを思い出させてくれる。ここコークは雨か曇りの日が多い。そんな日はスタジオの帰りにパブに寄る。アイリッシュにはアイリッシュの酒の楽しみ方があるけれど、オレは日本人、そんなにすぐにそのスタイルに浸れない。居酒屋が恋しい。その思いをぐっとこらえてこの半年を過ごして来た。これからの人生、オレはどうやって生きて行ったらいいんかなあ。車を廻すという事にいったい意味はあるんか?こんな事で怪我をしたり死んだらどうするんだ? 

ぽつり ぽつりと ふりだした雨に 男はなぜか女をおもう 「酔歌」吉幾三

銭の重さをかぞえても 帰るアテはない 200海里をぎりぎりに 網をかけていく 北の漁場はよー 男の死に場所さ 「北の漁場」北島三郎

いろんな歌がそんな時間を支えてくれた。
この写真は現在の旧フォードファクトリーの様子。今は寂れているが、最盛期は何千人もの労働者の活気で満ちていた。今度の日曜日、いろいろな雑事は全て忘れ、パフォーマンスに集中する。彼らの力を蘇らせる。