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Bildhauerwerkstatt
2008年03月29日

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立体作品、彫刻を作るには、どうしてもある程度広い場所が必要になりますよね。彫刻家を志し大学に入ったものの、卒業してから制作場所が無くて、みんな困ってる。それが原因で立体作品や重量級彫刻を作る人がいなくなる。そういう歴史が日本では長〜い事続いているのに、どうしてどうにかしようと思わないんだろう。

ベルリンには、公立の貸し彫刻工場(Bildhauerwerkstatt)があって、金属、石、木、プラスチック、焼物とかを扱えるバカでかい施設があります。それぞれの素材について専門に教えてくれるマイスターがいて、作業に対してアドバイスをしてくれるし、とてもありがたい。機械もいろいろそろってるし、クレーンもある。ホントに天国だねここは。一週間単位で借りられるし、家賃だって高くはない。英語も通じるよ。といっても、ここだっていきなり出来たわけでは無くて、いろんなアーティストやそれを支えようとする人の長年の努力で立ち上がったものだろう。

日本にだって、そういう施設があれば、アートシーンだってぜんぜん変わって来ると思うがね。仕方が無いから、同志はまだぜんぜんいないけど、小さいながらも武蔵村山 久保田組スタジオからオレは始めるとします。将来、公立の彫刻工場を設立するために、頑張って行きますよ。待っていても、何もかわらないしさ。その辺で諦めてスカしてる人達、いっしょにコツコツがんばりませんか?

バナー見参
2008年03月27日

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今朝パン屋に行くついでに、テアターハウスをチェックしてみました。
とうとう入り口に、我らの旗がようやく掲げられましたよ。これがあるのと無いのとでは、気持ちの高ぶりがぜんぜん違います。心の中で出陣の法螺貝が鳴ってます。

こうやって見ると意外に小さいもんだが、そんなことはまったく気にならねえ。やんのかコラ!

バナー完成
2008年03月22日

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Life Projectの宣伝用旗が出来上がりました!来週から建物の入り口に掲げられますよ。嬉しくてテアターハウスディレクターのGabiさんに写真を撮ってもらった。

実はこのテアターハウスミッテが現在存続の危機を迎えているのだ。元々、小学校だった建物をシアターとして使っている施設なのだが、最近政府によって元の小学校へと戻されそうになっている。別に小学校が足りないわけでもないのに何故?ただいまテアターハウス存続闘争実施中というわけ。ここが無くなってしまったら、オレたち芸術家の居場所はもっと無くなってしまうんで、この展示を通して、闘争に協力するのだ。

4月12日には15時から反対運動決起集会があり、士気を高めるためトラバントを回してくれと頼まれてる。こういうところがベルリンなのかもしれない。左にいるのが今話題 生きろの人 鈴木貴博だ!


エンジン始動
2008年03月19日

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最近、部屋が憩いの広場になっている久保田家です。
今日は、4月10日から始まるLife projectに向けて、Berlin Hitoritabi のTrabi(トラビー)のエンジンが壊れてないか試運転してみました。エンジンを囲っていたルンペン小屋を壊し、タンクにガソリンを注ぎ込んでやりました。
風雨に晒されてなかったので、錆びたりした箇所は無かったですが、半年ぶりの運転ですんで心配です。

知らないうちに、この作品周辺は観光スポットになってしまったらしく、観光客が立ち寄って写真を撮って行きます。金になるんでねえか?この作品。9月と同じ手はずで、エンジン無事始動!排気ガスの匂いが実になつかしい。
見物人に車を回せとせがまれ、ちょっとやってみましたが、元気に回転。パフォーマンスが待ち遠しいです。

4月10日当日には、特別パフォーマンスもあるし、これは見逃せねえ〜。

でかい作品
2008年03月17日

作品の制作を始めた頃から、オレはデカイ作品を死ぬまで作り続ける、環境に合わせて小さくなるのは、断固としてしない、と心に決めやってきたわけだが、最近それが曲がり角に来ているような気がする。もうすでにちっちゃいの作ってるしな・・。日本でもキツいのに、海外に来るとかなりしんどくなってくる。今までは気合いでカバーできた気がするがな。鳥獣保護区に入りてえな。   てめー男だろ!! 気合いと根性、2ミリの知性。がんばろ。
話しは変わるが、何の因果かこの日記、最近チベット(西蔵)ネタを連続使用中にこの暴動。チベットの虎、立ち上がれ!

Life Project
2008年03月14日

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生きろ鈴木こと鈴木貴博と久保田弘成のパフォーマンスイベント「Life Project」のフライヤー完成です。
なんだか知らんが、すごくインパクトのある仕上がりになったと思います。
これは見なきゃならねー、見ずには死ねねえ〜。

生きろ鈴木 
2008年03月11日

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(c) Takahiro Suzuki

世界中で「生きろ」を書き続けているアーティスト、鈴木貴博。初めて鈴木さんの存在を知ったのは、私がまだ大学に通っていた頃、彼がNYの公園で「生きろ」を書いているパフォーマンスが、美術手帳に載っていたのを見たときだ。という事は、もう10年以上前ということになる。自分もアートというカテゴリーから少し逸脱した作品を作ってはいたが、この人のパフォーマンスの写真を初めて見た時に、やばい日本人がいるもんだな、オレ負けてるかもと思ったものでした。NYのど真ん中で、全身に 生きろ と書いて、生きろを書き続ける度胸。衝撃的でした。あれから10年、知らず知らずのうちにその影響を受けていたように思う。あとから考えると、意味は違うが、車に石を詰めて車体に数字を書き連ねた作品や、アスファルトにオマンコオマンコオマンコと彫り込んだ作品は、鈴木作品の存在を知らなかったら、生まれなかったかもしれない。

約1年半前、ベルリンに来たばかりの頃、ある日本人アーティストの作品設置のお手伝いをしていたとき、その場に、妙に元気で眼力のある関西人がいました。私は、作品制作や搬入の作業時、日本で長い事工事現場で職人をしていた経験のおかげか、仕事が出来る人か出来ない人かを瞬時に見分ける目を養わせてもらっていました。彼の動きで現場経験者だなとわかりました。あとで話してみると、彼が 生きろ の鈴木さんだと知り、「うぉー、この人があの生きろの人かよ」と思ったのは忘れられないです。その後お互い、でずにーランドの現場で、ヒデー目にあった話し等でその日は盛り上がりました。それからというもの、お互いの制作の手伝いをしたり、飲んだり話したりするうちに、人としてやアーティストとしての共通点を見つけて行く事ができた様に思います。

今回のベルリンビエンナーレの期間、鈴木貴博と久保田弘成の二人で約3ヶ月間パフォーマンスをします。場所は、ベルリンのTheaterhause mitteです。期間は4月10日〜6月28日まで。
只今準備中で、宣伝の為の超巨大ノボリなど作っていて、ビエンナーレに出てる作家を食ってやれたら最高です。私は、酒を飲んで突っ立っているしか能がないですが、英語が喋れて弁が立ち、美術も詳しい鈴木さんとデカイ流れを作り出せるといいなと話してます。

この写真は、鈴木さんのチベットでの生きろです。ほかにもアフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、アジアのいろんな場所でパフォーマンスされています。このサイトのリンクにも貼ってありますが、鈴木貴博 のサイト    http://ikiro.net/writing-ikiro.html 内 IKIRO mapで活動を知る事が出来ますよ。必見。

Schnitzel
2008年03月10日

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こいつがウワサのシュニッツェルだよ。豚肉のヤツや七面鳥のがある。
オレが食べたのは、大きいヤツで肉の中にチーズとハム(えー!?)が入った、
体育会系アーティスト専用シュニッツェル。
今度、中国で食ったあんまん入り赤飯と対決させてみようと思います。
ちなみにこのビールのジョッキは大ジョッキの方だよ。

VIENNA
2008年03月08日

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ちょっと2、3日ウィーンに行っていました。3年前パリで知り合ったアーティスト ウォルフガング&ミラがTOURISTENという雑誌を作っていて、私の背中の入れ墨をその表紙に使いたいと言うので、その撮影とインタビューの為にウィーンを訪れたわけです。ベルリンから飛行機で1時間なんで、近いです。ウィーンというと、単に伝統的な建物がある街という印象でしたが、実際行って見ると、新しいものと古いものが混在し、それが上品にまとめられた美しい街並が心地いいです。ベルリンで廃墟と真新しい建物がミックスした、少し目に痛い街並を見慣れていたんで、ウィーンは色彩が豊かで光がやわらかく、目に優しかったですね。美術館や博物館が多いんで、見て回りましたが、何しろ今回はあまり時間が無くて、全部は見きれなかったです。

中心部から少し離れた場所にあるドナウ河を、地下鉄で一人で見に行ってみました。3年前ハンガリーのブタペストで見たドナウ河の大きさに感動した事があり、その上流はどんなもんか知りたかったんです。行って見ると、ノイドナウ(新ドナウ)とドナウの二股に分かれてしまっていて、迫力には欠けましたが、しばらく流れを見ているうちに、大陸の大きさを感じる事ができました。クリムトの絵で有名な、レオポルト美術館の売店で売ってた、手回しオルゴールを河の中州で回していたら、なんだか淋しくなります。オレは何をしているんだ・・。

初日にウォルフガングの家でミラが、豆を5時間かけて煮てくれたセルビア料理を食べました。度数が何度なのか誰も知らないという、ラキアも飲ませてもらい、半年前にレジデンスで滞在していたマケドニアを思い出してしまいました。2日目は、彼らにオーストリア名物 シュニッツェル (巨大カツ)の店に連れて行ってもらいました。とにかくデケー。私は中にチーズとハムが入ってる、超特大特製シュニッツェルを注文したんですが、不覚にも全部食えず、残してしまいました。最近気合いが足りていないです。オタクリンガーというOTAKUビールが美味かったです。

短い期間だったのですが、いろいろ連れ回してもらい楽しめました。やっぱり、中欧のこの密度の濃さが好きです。また来ようと心に決めました。写真は、自然史博物館。

上海作品報告3
2008年03月03日

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世界一シブい画廊、中国で発見です!!
「国防画廊」はなかなか見られないですよ。それにしても、中央の☆のマーク、八紘一宇?の意味かな。
それって・・。

(みすたあX)

上海作品報告2
2008年03月02日

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上海は、中心部では高層ビルなどが密集していて、都市の雰囲気を醸し出していますが、ちょっと郊外に出たら、スラムみたいな所がいっぱいあります。野性的な目つきをした連中が多いので、油断していると大変な事になります。ですから、日本人ではないようなふりをして歩きます。それでもめざといヤツらが、私が日本人であることに気がついて追いかけて来ました。彼らは、西蔵 から来たと紙に書いていましたが、後でそれがチベットを意味する漢字だという事を知りました。皮膚の色が他の漢民族達と違うので、一見してどっかの少数民族とわかりましたけど。

やつらは、会心の笑みを浮かべ、私に虎の爪を買う事を勧めてきましたが、得体の知れない連中と関わりを持ちたくないので、その場を去ろうとしましたが、頼むからと拝まれて、服を引っ張られ逃げられなくなりました。結局、現地の値段としては、結構な値段で爪を買わされる事になりました。刃渡り30センチくらいの刀を持っていたし、どこから出て来たのか知らないけれど、まわりから民衆がぞろぞろ出て来て、イッツ ショータイム!!的雰囲気になり、引っ込みはつかなかったです。人間が無駄に多い国です、ここは。あー、やっちゃった。

金ノコで、虎の指を切り落としています。これが、報告1で紹介した作品になるわけですよ。

(みすたあX)

上海作品報告1

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こんにちは、ベルリン入りしたみすたあXです。先月みなさん御承知の通り、私は上海で久保田弘成の今後の制作の為の営業活動をしていたわけですが、その途中に、久保田さんによるベルリンからの遠隔操作で久保田作品の制作も行っていました。道具とか、ほとんど持って行かなかったので、すべて現地調達です。そこが面白い所なのですがね。

なにしろ、中国は何もかもブランドもの以外のモノは、日本の半分以下の値段で買えますから、素材には恵まれました。そのかわり、それぞれのモノの質は残念ながら劣ります。この骸骨も、石膏で出来ていますが、何度も型から抜き過ぎたせいなのか、形が甘いです。店で買ったときは、出来たばかりらしく、水分が抜けておらず重かったです。石膏の質も悪いので、すぐ割れてしまいますが、そのかわり値段は、日本円で500円もしないです。

私は、道ばたで自称 西蔵人(チベット人)に捕まえられ、彼らのその憎めない笑顔と、何気なく見せられた青龍刀に脅され、わけのわからない虎の爪を買わされました。まだ死んでからあんまり時間が経っていない虎らしく、匂いがスゴいです。ビーフジャーキーなんてものではないです。多分日本に持って帰ったら、成田の税関で捕まってしまうのではないかと思います。そんなこんなで、作品の一部にしてしまいました。

泊まっていたアパートに、わざとらしい造花がありまして、ユルい作りの骸骨との間に絶妙なハーモニーを作り出していたので、これらを組み合わせてみました(そうしろとベルリンから指令がきました)。この2つですと、あまりにも退廃的すぎて、生きる希望がなくなりそうですので、虎の爪を加えて完成です。いいでしょう。これでやっと生け花になりました。

でも結局、画廊の方からの、そんなわけのわからないヤツらから買った爪を画廊に置いて行くな!!、という無言のオーラによって、私は爪だけ外して日本に持って帰ることにしました。ですから、この作品は幻の作品と言えます。成田で、虎の爪をポケットに忍ばせ、何気なく検査を通り過ぎたみすたあXでした。ポケットがクサくなってしまいました。今は久保田組スタジオの秘密の場所に隠してあります。