ロンドンを経由し、パリにつき少々滞在、ドイツはベルリンに 男一匹 久保田弘成 ただいま到着いたしました。外は曇り、建物の壁は薄暗いベルリン独特の雰囲気、久しぶりといえど、なにか心にずっしりと重いです。オレは、この街でまたしばらく生きていく。さっそくのドイツビールの味、この雰囲気で飲むとやはり、味が違います。
これから住むアパート、太郎君の友達のドイツ人の家ですが、来てびっくり。なんと、あの有名なベルリンの壁の真横。正確に言えば、ベルリンの壁跡地真横だが、そんな事はどうでもいい。とにかく朝晩、壁を拝めます。この部屋は東ベルリン側で、ここに見える空地数十メートルが、東西のイデオロギー分断の為の場所だったわけです。すげえ所に引っ越してきてしまったもんだ。太郎君ありがとう。たかが地面でこれほどモノを言ってくる場所は、そうそうないよ。
時差ボケで、朝4時に起きてる早起き久保田ですが、早速当地にてやること一杯。のんびりする気にもなれないでいます。これから、東ドイツで作ってた自動車 トラバントを横浜に輸送する準備にとりかかります。貧乏性、働き者の性分は、もう変えようがないでしょう。
日本滞在中、みなさんからいただいた温かい言葉、熱い気持ち、厳しいご意見を胸に突進します。出発前日に鹿之助からもらった、大日本帝国海軍 連合艦隊司令長官 山本五十六 湯呑に書いてある言葉。
苦しいこともあるだろう
言いたいこともあるだろう
不満のこともあるだろう
腹の立つこともあるだろう
泣きたいこともあるだろう
これらをじっとこらえていくのが
男の修行である
山本五十六
男とか女とか、あまりこだわってはいけないのかもしれない。でも今はどういうわけか、これらの言葉が心にしみる。